あなたは学校の数学の授業で行列を学んで、

挫折したり、「こんなのつまらない」って思ったことありませんか?

でも、少し視点を変えて物事を考えるだけで

世界がガラッと変わって途端に行列が面白くなります!!

「連立方程式を解くって拡大係数行列の標準形を求めることに帰着できるよね?」

とか、なんかよく分からないけど格好いいこと言えちゃいますw

ここでは、行列やベクトルが中学や高校でお馴染みの

「連立方程式」

を通して行列の偉大さを少し教えたいと思います!

そもそも連立方程式とは

\[
\begin{cases}
&x &+ &y &= 3 \\
&3x &- &y &= 1
\end{cases}
\]

のように複数の変数に対する条件式をいくつか羅列したものでした。(厳密な定義はここでは省略します)

中学校では、この連立方程式は「加減法」を使って解くのが一般的だと思います。

\[
\begin{cases}
&x &+ &y &= 3 \cdots (1) \\
&3x &- &y &= 1 \cdots (2)
\end{cases}
\]

\( (1) + (2) \) をすると

\[
\begin{array}{rr}
&x &+ &y &= 3  \\
+ \text{)} &3x &- &y &= 1  \\
\hline
&4x &\ &\  &= 4
\end{array}
\]

よって

\[
x = 1
\]

これを\( (1) \)に代入すると

\[
\begin{array}{r}
1 + y = 3 \\
y = 2
\end{array}
\]

よって

\[
\text{答え:} x = 1,\  y = 2
\]

ってな感じです。

 

連立方程式と行列①

では、先ほどやった連立方程式を行列でどのように解くのでしょうか?

\[
\begin{cases}
&x &+ &y &= 3 \\
&3x &- &y &= 1
\end{cases}
\]

これを行列を使って表現すると

\[
\begin{pmatrix}
1 & 1 \\
3 &-1
\end{pmatrix}
\begin{pmatrix}
x \\
y
\end{pmatrix}
=
\begin{pmatrix}
3 \\
1
\end{pmatrix}
\]

\(
\det
\begin{pmatrix}
1 & 1 \\
3 & -1
\end{pmatrix}
=
-4
\)であるから

\[
\begin{eqnarray*}
\begin{pmatrix}
x \\
y
\end{pmatrix}
&=
&\begin{pmatrix}
1 & 1 \\
3 & -1
\end{pmatrix}^{-1}
&\begin{pmatrix}
3 \\
1
\end{pmatrix}
\\
\begin{pmatrix}
x \\
y
\end{pmatrix}
&=
&\frac{1}{-4}\begin{pmatrix}
-1 & -1 \\
-3 & 1
\end{pmatrix}
&\begin{pmatrix}
3 \\
1
\end{pmatrix}
\\
\begin{pmatrix}
x \\
y
\end{pmatrix}
&=
&\frac{1}{-4}\begin{pmatrix}
-4 \\
-8
\end{pmatrix}
\\
\begin{pmatrix}
x \\
y
\end{pmatrix}
&=
&\begin{pmatrix}
1 \\
2
\end{pmatrix}
\end{eqnarray*}
\]

これは高校で「数学C」を習っていた人ならご存知の方も多いでしょう。

「係数行列の正則性を利用した解法」です。

連立方程式と行列②

今回は、さらに「拡大係数行列の標準形への変形を利用した解法」もご紹介したいと思います。

上記の連立方程式は「拡大係数行列」というものを用いて

\[
\begin{pmatrix}
1 & 1 & 3 \\
3 & -1 & 1
\end{pmatrix}
\begin{pmatrix}
x \\
y \\
-1
\end{pmatrix}
=
\begin{pmatrix}
0 \\
0 \\
0
\end{pmatrix}
\cdots (\ast)
\]

と表現することができます。

ここで、拡大係数行列を行基本変形により標準形に変形していく。

\[
\begin{array}{ccc|ccc|ccc|ccc}
1 & 1 & 3 & 4 & 0 & 4 & 4 & 0 & 4 & 1 & 0 & 1 \\
3 & -1 & 1 & 3 & -1 & 1 & 0 & -1 & -2 & 0 & 1 & 2
\end{array}
\]

よって、\( (\ast) \)式は

\[
\begin{pmatrix}
1 & 0 & 1 \\
0 & 1 & 2
\end{pmatrix}
\begin{pmatrix}
x \\
y \\
-1
\end{pmatrix}
=
\begin{pmatrix}
0 \\
0 \\
0
\end{pmatrix}
\]

と変形できるので、これを元の連立方程式の形に直すと

\[
\begin{cases}
x & = 1 \\
y & = 2
\end{cases}
\]

となり、答えを得られた。

つまり・・・

ここまで読んだ人の中には「あー、そんな計算やってたね!」と思っている人とか「なにその計算!?意味不明??」などと思っている人とか様々だと思います。(理解できなかった人はここまで頑張って読んで頂きありがとうございます。)

このサイトでは、今まで習ってきたものを行列やベクトルの視点から改めて眺めて見たり、行列やベクトルそのものについてさらに深く掘り下げて話をしていきたいと思っております。

ここまでの話を理解できなかった人にも分かるように、行列・ベクトルの基礎の基礎から話していきたいと思っているので、頑張って付いて来てください!!

最後まで記事を読んでくれてありがとうございます。

「こんなこと分かっても実生活に役立たない!」、「ただの自己満じゃね?」って声が聞こえてきそうですが…。(現に、知らなくても生きていけるし、半分は自己満ですw)

大切なのは「物事をいろんな視点で見れた」ということです。

数学では、視点を変えて事象を見返すと世界がガラッと変わって見えることが多々あります。

これは数学に限らず色んなことに言えるのではないかと思います。